名画解説

ルーヴル美術館展―17世紀ヨーロッパ絵画―より 


(国立西洋美術館  2009年 2/28日-6月/14)

このルーヴル展の目玉の一つ、ルーベンスの豊かな裸体溢れるギリシャ神話画を楽しみましょう!!

図ルーベンス “ヘラに騙されるラピテス族の王イクシオン”1615年制作 油彩 ルーヴル美術館

この作品は、大酒飲みで女好きな半身半獣のケンタウロス族の起源のお話です。ラピテス族の王イクシオンは騙して義理の父を殺した悪人でしたが、神々の王ゼウスの孫でした。そのゼウスの情けでオリンポスの客人となっていた時に、思い上がったイクシオンは、なんとゼウスの妻である神々の女王ヘラに言い寄ったのです。

そこでゼウスがイクシオンを試そうとして雲で作ったヘラと、愚かなイクシオンは交わってしまいます。その雲から生まれたのが上半身が人間で下半身は馬のケンタウロスというわけです。この事によってイクシオンは忘恩の罰を受け、冥界の最深部タルタロスで燃える火の車に永遠に縛り付けられています。

この作品の左側ではイクシオンが雲で作られた偽者のヘラを抱きしめています。本物のヘラは中央右よりの女神でシンボルの孔雀を連れており、ゼウスは口ばしに武器の雷霆を掴んだシンボルの鷲を伴い一番右上で神の復讐を見守っています。

ここでヘラの忠実な侍女虹の女神イリスはきつねの毛皮をまとい、また愛の神キューピッドが後ろを向いていますが、それは何故でしょうか??また左上に見えるメデューサの髪のような蛇は、何を表すのでしょう??ぜひ有地の名画講座での解説をお楽しみに!!

この作品はルーベンスの豊かな肉体の踊るエネルギー溢れるバロックらしい作品です。この作品には神々の多くの象徴が描かれていることにご注目下さい。

名画解説

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